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はじめに

鶏肉は、卵とともに物価の優等生と言われてきた。そのことが示す通り、鶏肉には「割安感のある肉」というイメージが強い。それに「淡白」「柔らかい」「ヘルシー」の3つを加えたものが、鶏肉の一般的なイメージと言っていいだろう。

ところが、それに飽き足らない人も現れ始めている。そうした人たちが求め出したのが、地鶏だ。

地鶏は、これまでの鶏肉のイメージからすると確かに「硬い」肉であり、「高価」ではある。しかし、これまでの鶏肉にはない深いコクと濃厚なうまみがある。それはいわば、戦前までは農家の庭先で飼われ、地面を走り回っていた鶏の味をイメージさせる。”昔の鶏の味がする”と懐かしむ人も多い。鶏肉でありながら、「濃厚な味」という古くて新しい価値観、さらに、健康的で安心感のある食材という魅力で、今や地鶏は”ブランド食材”となり、消費量も年々増えている。

こうした地鶏の持ち味を活かすには、鶏肉の部位の特徴を知った上で調理を行う必要がある。でないと、せっかくの素晴らしい素材も、その質の良さを発揮できずに終わってしまう。

そこで、この地鶏の持ち味を活かす調理で人気を集めている「地鶏吉兵衛」が、地鶏の調理技術を明らかする。地鶏の定番料理をはじめ、オリジナル料理についても明かしていく。こうした調理技術を十分に活かし、自然で濃厚な地鶏の美味しさで他店と差をつけられるようにしたい。

地鶏の定番料理

1焼き鳥

鶏の旨味や歯応えを、多彩に手軽に楽しませてくれる焼き鳥料理

地鶏の特徴を最大に、しかも気軽に楽しませ料理としてあげられるのが、焼き鳥である。

直火で上手に炙った地鶏の焼き鳥は、旨味が一滴も外に出ず、鶏の濃厚な風味がジューシーに味わえる特徴がある。しまった肉質は加熱しても弾力を失わず、適度な歯応えは食の満足感も充実させる。しかも、香ばしく焦げた肉の香りは食欲をより刺激する。上質な脂で、焼き上がりも美しい。

焼き鳥では、様々な味わいも楽しめる点も大きな魅力。肉の量感を楽しむ串、骨と接して特に旨味の強い手羽串やせせり肉の串、とろりとして濃厚な旨味のレバー。コリコリとした独特の歯応えの砂肝・・・。これらの多彩な部位を、塩で、醤油で堪能させることが出来る。

一般に焼き鳥店は、その大衆性のため店数が多く競合は厳しいものだ。しかし地鶏を使った焼き鳥は、その特徴からグルメ客に訴えられるほど付加価値が高い。高価でも美味しいものを味わいたい特捜に支持される。有望な食材である。

地鶏の定番料理

2鍋料理

豊かな味わいは、
肉でも出汁でも楽しめる。
冬に人気の高い鶏鍋料理。

肉そのものの旨味が濃厚な地鶏は、寒い冬場に人気の鍋料理でも、その持ち味を発揮する。

地鶏を使った鍋料理では、まず鍋の具材として肉の旨味を楽しめる。
引き締まった肉質の中には旨味がしっかりと閉じ込められており、温められて鍋時に旨味が流れ出てもなお、風味豊かで、噛み締めるほどに口の中に鶏のうまみが広がる。

さらに肉だけでなく、柄や肉から出る出汁にも自然な深いコクと良い香りがある。他の多くの鍋料理が豊富な具材の組み合わせを楽しむのに対して、地鶏で作る鍋料理では、鶏そのものの純粋な旨みをストレートに堪能できるのが特徴と言っていい。

地鶏の持ち味を生かせる鍋料理としては、シンプルな水炊きはもちろんのこと、各地に郷土自慢の鍋料理がある。郷土の味で、様々なバリエーションが楽しめるのも大きな魅力である。

地鶏の定番料理

3刺身

地鶏ならではのコクと、
生独自と歯応えを
様々な薬味とともに楽しむ。

鹿児島などでは、地鶏が昔から刺身で食べられてきたように、地鶏の魅力は刺身でも楽しめる。このため、鮮度の高い状態で地鶏肉が手に入るようになった今日では、「名古屋コーチン」や他の地鶏でも刺身を出す店は増えている。

火を通す他の調理法にはない、ねっとりとした食感と自然な味わいが、鶏刺身の身上だ。

地鶏の定番料理

4揚げ物

肉の旨味、
濃厚な肉汁を堪能できる。
酒の肴でも人気。鶏の揚げ物料理。

「鶏唐揚げ」は、酒の魚としても人気の定番料理の一つ。